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黒子のバスケにずるずるとハマり中です。 火神と木吉がいれば、とりあえずそれで良い感じ。 ブログの名は流石に変わるかもしれません^^;
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なんとなく続いているような、続いていないような。
でも、今回は被害者いないよ!



風通しは良いものの、居るだけで汗ばむような陽気。
クーラーもないその場所で、来客はゴロゴロと床を転がっていた。

「どうしたんだ、火神。何か犬みたいだぞ」
びくっ
今まで満腹の野生動物のようにゴロリゴロリと寝そべっていた体が、俺の一言に縮む。

「別に、ここに犬はいないけど」
「しっ、知ってるよ!・・・です!」
どうやら俺の例えが悪かったらしい。
やっぱり、克服したなんて言っても苦手なものは苦手なんだなぁ。

俺は手にしていたお盆をちゃぶ台の上に乗せた。

「なー」
「ん?」
「何か、先輩んちの畳って、合宿ん時行った旅館のとは違うな」
「そうか?」

振り返れば未だに火神はゴロゴロと転がってる。

「なんか・・・良い匂いがする・・・」
畳に頬を擦りつけ、スンスン、と匂いを嗅いだ。

そうか、眠い訳じゃないのか。
出していた座布団を枕にすら使わずにいたのはそのせいか。

「そういえば、最近張り替えたばかりだな。イグサの香りが強いのかもしれない」
旅館の畳はお世辞にも綺麗とか新しいとは言いきれなかったからな。

「イグサ?」
「畳の材料だ」
「ふぅん?」

それを聞いて納得したのかしないのか、火神がようやくのそりと体を起こした。

「ほら、ジュース持ってきたから飲め。ぬるくなっち、ま・・・・ぅ」
お盆の上に置いたコップを持って火神を振り向けば、火神は予想以上に俺に近い場所にいた。
どうやら四つん這いでこちらに近付いていたらしい。

すんっ
首筋に鼻を埋められたかと思うと、先ほどしていたのと同じように火神は鼻をならした。

まるで、動物に懐かれているみたいだ。
そう思いつつも、何故か体が緊張して動かない。
犬コロや猫に寄られたら、いつも頭を撫でてやるくらいはするのに。

頬に触れる火神の髪。
首筋に感じる吐息。
足元に感じるのは・・・近付いてきた火神の手、だろうか。
視線を降ろそうにも、首筋に顔を埋められていては、確認も出来ない。

しばらく匂いを嗅いでいたと思った火神は、満足したのか漸く体を起こした。
何事もなかったかのように、俺の手からコップを受け取った。

「サンキュー、です」
「えっと・・・火神?」
のんきにジュースを飲み干す火神に、先ほどの行動を問いかける。

「先輩もイグサの匂いが移ってんのかなって」
「え?」
「だって、いつも畳で寝てたら、匂い移りそうだろ?」
「そうか・・・?」

腕を持ち上げて匂いを嗅いでみる。
「全然違ったけど!」
俺が確かめる前に火神は答えをくれた。

「そうか。俺は火神の“良い匂い”じゃなかったんだな」
なんだかガッカリだ。

「へ?別に良い匂いじゃねぇとは言ってねぇよ・・・むしろ・・・」
「ん?なんでガッカリなんだ?」

「?」
「??」
かみ合わない会話にお互い首を傾げる。
あれっ?
これ、俺のせいか?

「むしろ・・・何?」
「ガッカリってなんだ?」
けれど質問するタイミングが被った。

言われて改めて考えてみる。
火神は畳の匂いが好きだと言った。
俺も同じ匂いがするのかも、と。
それは火神が俺の匂いも好きだという証。
けれど、それは予想を裏切り、イグサの匂いは移ってなかった。
つまり、俺は・・・・

「べっ、別に先輩の匂いが変だった訳じゃねぇよ・・・その、だからっ・・・」
火神が話し始めたのでふと思考を中断して顔を上げた。

俺とは違って考えながら話しているのか、へどもどと言葉を探す。
「ん?」
首を傾げて火神を見た。

「だからっ!イグサの匂いじゃねぇのに先輩は俺の好きな匂いしてたから不思議っつーか・・・!」
「・・・・好き?」
「すっ、好きっつーか嫌いじゃねぇ・・・そう!嫌いじゃねぇ!」
パッと良い事言った!みたいに火神の顔が明るくなる。

けど、それってつまり・・・
「つまり、好きって事だよな?」
「うるせぇな!どうでも良いだろ、そんな事!」
ぷいっと火神は頬を赤くしてそっぽを向いた。

そっぽを向いたけど、否定はしないんだな。
そうか、好きなのか。

「ふむ・・・・」
「それより木吉サンはどうなんだよっ!」
視線は逸らされたまま、話も逸らそうと振ってくる。

「んー・・・何つーか・・・ガッカリかと思ったけど、ガッカリじゃなかった、みたいな?」
「なんだ、それ。訳わかんねー」
「うん、俺も分かんない。まぁ、良いんじゃね?嫌な気分じゃねぇし」
そう、嫌な気分じゃない。
むしろ逆にテンション上がってるかも。
そう思って俺は深く考えるのをやめた。
だって、火神はもうこっちを向いている。

「先輩って色々不思議だよな・・・・」
呆れたように言ってるけど、きっともう火神の機嫌も直ってんだろう。

「そうか?」
「それ」
「どれ?」
なんとなく指さされた方を見るが、おかしいところは見当たらない。

「どうしてコーラに煎餅なんだ?」
「嫌いか?」
「や、嫌いじゃねぇけど」
「火神が好きかと思って」
「・・・・サンキュー・・・です」
「まだあるぞ」
「ん~・・・」

けど、火神は煎餅に手をつけず、コップをちゃぶ台に置くと再びゴロリと転がった。
どうやら余程畳の匂いがお気に召したようだ。
そうなると普段そんなに気にしていなかった新しい畳の匂いが無性に気になってきた。

火神に倣って俺も転がってみる。
深く息を吸えば、新しい畳の匂い・・・と。
これは何だ・・・?
匂いの元を辿っていけば、辿りつくのは火神の場所。
「うぉっ!何だっ!?」
先ほど火神にされたように、俺も火神の首筋に鼻先を埋めてみた。

畳に交じった火神の匂いが、火神一色に塗りつぶされていく。
火神はびっくりしたり戸惑ったりしているようだが、俺が動く気がなさそうなのを見ると、大人しく俺の好きにさせてくれていた。

「・・・うん、悪くない」
「・・・何が」
「ん?俺も火神の匂いが好きだって事だよ」

「ふぅん?」
納得したのかしてないのかは良く分からなかったけど、火神が否定しないのに気を良くして、俺はゴロリと畳に転がりなおした。
こうしてたら、俺に畳の匂いが移るのかなぁ。

火神の好きな、畳の匂い。
俺の匂いも嫌いじゃないらしいから、混ざったらもっと火神にとって好きな匂いになるんじゃないか?



de689780.




ゴロンゴロン
二人して転がってたら、ご飯が出来たと呼びに来たばぁちゃんに呆れられた。



















後日。
昼休みにクラスの女子の会話が耳をついた。

耳の後ろってフェロモンが出てて、その匂いが受け入れられるかで相性って決まるらしいよ?

なるほど、火神と俺の相性は、悪くは無いらしい。










良い匂い同士と言え、混ざっても良い匂いになるとは限らないと思うよ・・・






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