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黒子のバスケにずるずるとハマり中です。 火神と木吉がいれば、とりあえずそれで良い感じ。 ブログの名は流石に変わるかもしれません^^;
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4から話は続いてますので、読んでない人はそちらからどうぞ。
続きは火神視点です。
続・木吉センパイの暴走。

なんか、思った以上に長くなって、収集つけるのに手間取りました・・・

   *  *  * 


「ぎゃあ!」
「木吉!?何すんだ!?」
体育の片付け中。
叫び声に顔を上げれば、木吉さんが渡り廊下を同級生と歩いてた。
手に持っているのは、化学の教科書。
次は移動教室なんだろう。

何か騒いでて楽しそうだ。
ぼんやり見ていると、先輩が身を屈め、同級生の首に鼻先を突っ込んだ。
「くせっ」
「てめっ・・・!」

げしっ
木吉さんが蹴られてる。
まぁ、自分から鼻突っ込んどいてそれはねぇよなぁ。

木吉さんの行動はイマイチ把握出来ない。
不思議に思いながらもも俺はスルーした。






「・・・なぁ、黒子。木吉さん、何か変じゃね?」
「何を言っているんですか、火神くん。木吉先輩が変なのはいつもの事じゃないですか」
「まぁ・・・そう、だな・・・」
確かに黒子の言う通りっちゃ言う通りなんだけど、いつも以上に拍車がかかってるっつーか・・・・

部活中。
センパイはクラスの奴らにやってたようなのと同じことを隙あらば、と部活の人間にもやりまくってた。
それこそ同級生後輩お構いなしだ。

鼻先を近づけて匂いを嗅いでは、1人納得したようにふむふむと頷いている。
けど、何がしたいのかは全然分からない。

「お前もアレ、やられたか?」
アレ、の視線の先は、福田の匂いを嗅いでいるらしい、木吉センパイ。
福田はセンパイの謎の行動に動けずに硬直している。
本当、何がしたいんだ?

「はい。ちょうど部活の休み時間が終わる直前に。何か”無臭だと思ってたけど、以外にスパイシー?”なんて言って去って行きましたが」
「はぁ?」
どうやら黒子も既にやられたらしい。

まぁ、かく言う俺も前にセンパイん家行った時にやられた事がある。
・・・つーかどっちかっつーと俺からやった気はする。
ちょっと、良い匂いがしたような気がしたから・・・

最近はすっかり畳が気に入った俺。
匂いだけじゃなく、肌触りとか意外に優しくて、フローリングに寝っ転がってる時みたいにベタベタしないのも良いトコだ。
けど、あいにく俺の住んでるトコに畳の部屋はない。
今になって思えば残念だが、合宿所の畳はそんなにハマらなかったから、ただ畳って言うより、新しい畳が好きらしい、と判断する。
そして新しい畳の部屋を持っているセンパイん家と、センパイのばぁちゃんのメシにもハマってる。
誘われれば何も考えずホイホイ付いて行ってしまうくらいには。

「黒子」
「はい?」
ふとセンパイの黒子への評価が気になった。

センパイがしているみたいに、身を屈めて黒子の首筋に鼻を近づけてみる。
すんっ
「・・・火神くんまで何ですか?」
黒子が嫌そうに首を捻った。

「やっぱあんま匂いしねぇな」
「木吉先輩の真似ですか」
やれやれ、とでも言いたそうに黒子が肩を竦める。

コイツは俺の予想通り、ほとんど匂いなんかしない。
スパイシー?
いやいや、どっちかっつーといつも飲んでるバニラシェイクの甘い匂いがしそうだ。
俺には甘ったるすぎるけど。

「・・・汗の匂い、とか?」
「・・・今は皆そうでしょう・・・」
「そりゃ、そーだ」
部活やってりゃ、皆そうか。
納得。



部活終了後。
半分以上は自主練で残っているのはもう、当たり前の風景だ。
何か知んねーけど、木吉センパイはカントクに走りに行かされてた。
汗だくになって戻ってきたセンパイは、疲れた~・・・と一言残して、皆の練習の邪魔にならないよう体育館の舞台に登ったと思ったら、ゴロン、と寝転がって起きなくなった。

走りに行かされたなら、しょうがない。
そう思ってたけど、30分してもセンパイは目を覚まさない。
あんま汗だくのまま寝てたら、この温度とは言え風邪引くんじゃないだろうか?

舞台を見ていたら、後ろからキャプテンに声をかけられた。
「火神ぃ!そのバカ起こせ!後そろそろ体育館閉めっから、全員片付けに入れー!」
「うす」
どうやら一番木吉さんに近い位置にいた俺に声をかけたらしい。
少し気になっていたから、ちょうど良い。
俺は階段を使わず、腕の力だけで舞台に乗りあがった。

「センパイ。そろそろ起きろ・・・です」

声をかけながら近付いたが、センパイから反応はない。
覗き込めば、口を半開きにしてくかーと僅かな寝息まで聞こえる。
何度か泊まりに行ってるから、分かる。
「こりゃ、熟睡の顔だな」

決して寝心地が良いとは言えない環境でこんな熟睡できる神経が分からねぇ。
けど、この状態のセンパイには、声かける程度じゃ駄目だ。
例えばそう、センパイのばぁちゃんの料理の匂いとか。
センパイのじぃちゃんの一括とか。
俺の寝相の遠慮ない蹴り一発とか。

・・・いや、キャプテンの前でセンパイに蹴り入れるとか無理だ。
けど、ココにはセンパイのばぁちゃんもじぃちゃんもいねぇ。

・・・しょうがねぇ。
起きるかどうかは分かんねぇけど、先輩の肩に手を置いて揺さぶる。
「センパイ。練習終わるぞ」
「ん~」

ごろり。
俺の手から逃れるように転がる。

「火神ぃ!」
「ウィっス!」
のんびりしてたら、キャプテンの怒号が飛んでくる。

「おい、センパイ!起きてくれねぇと俺まで怒られるんだよ!」
さっきよりも多少乱暴に揺さぶってみる。
「んん~・・・」

駄目だ、起きねぇ・・・!
ガクリと項垂れた。

ぐいっ
「うぉっ!!」
強く引き寄せられて、思わずセンパイの胸にダイブする。

ダイブしてから、自分の首の後ろに回された大きな手に気づいた。
「センパイっ、起きてっ・・・!?」
起き上がろうとセンパイの顔の両側に肘をつく。
上体を起こそうとしたけど、センパイの手が離れなくて起き上がれない。
しかもやっぱりセンパイからの応えはない。
これってセンパイ起きてんのか?それともまだ寝てんのか?

するっ
俺の首筋に回された手が滑る。
「ん~・・・・良い匂い・・・・」
寝ぼけてんのかボソリと呟いたセンパイは、そのまま両手を俺の背中まで伸ばして抱きしめてきた。

「ぐっ・・・」
引き寄せられたけど、また胸に顔を埋めるなんて嫌で、床に腕を突っ張って耐える。
ブルブル震えて耐えていると、逆にセンパイが上体を起こして俺の首筋に鼻を埋める。

このヤロッ・・・!
今ここで俺にそれをするかよっ・・・!
今日散々目撃したから、自分が何をされたか分かった。
ぐりぐりと押しつけられる鼻先や頬にかかる髪の毛がくすぐったい。
鼻息か吐息もかかって更に・・・・

「ひっ!」
ぬるんとした生温かい何かが首筋を這う。
ガクッと力が抜けて俺はセンパイの胸に逆戻りした。

「なっ・・・何っ!?」
一瞬じゃない。
今もヌルヌルと首筋を上へ下へと辿る何か。

「ぃっ!・・・う・・・んっ!」
ピリッとした微かな痛み。
何、と思う暇もなく再びヌルヌルした感触に戻る。

「あだだっ!!」
訳も分からず次に訪れた感覚は、先ほどまでとは違う、硬い感触と明確な痛み。
けど、そのおかげで漸く何が起こってるのかは分かった。

俺、センパイに噛みつかれてる・・・・!?
何でっ!?
何をされてるか分かったところで、何でされてるかは謎のままだ。
ていうかセンパイ喋んねーし、起きてるか寝てるのかすら分かんねーままなんだけど!

「おい、お前ら、何して・・・・」
痺れを切らせたキャプテンがこっちに向かってくる。
現状打破の助けを求めて俺はキャプテンに向かって手を伸ばした。
「キャプテンっ!助けっひぁっ!!」
ビビクンッ
さっきまでのヌルヌル・・・おそらく舌が位置を変えて耳ん中まで入ってきた。
ギュッと目をつぶって耐えるけど、舌がヘンに出たり入ったりするせいで、くちゅくちゅと粘着質な音が直接耳から脳へと響く。

ダダダダッ
「何やってんだこの馬鹿木吉ぃぃぃぃぃぃ!!」
ドキャァッ
「おおぉぉぉぉ・・・・!?」
舞台まで勢いよく駆け上がり走り寄ってきた主将の跳び蹴りは、そりゃもう、黄瀬を張り倒す海常のキャプテンより爽快だった。

その一撃で俺は解放され、センパイは驚きの声を上げながらゴロゴロと舞台の端まで転がってく。
「大丈夫か、火神?」
蹴り飛ばして膝をついたキャプテンは、俺に向かって手を差し出した。

すげぇ、キャプテン・・・!!
一目で俺が困ってるの、分かってくれて、一撃で解決しちまった!
「あざ、す」
「うっ!止めろ、火神!そんなキラキラした目で見んな!」
手を取って俺を立たせてくれようとしたキャプテンはすぐに手を離すとそっぽを向いた。

俺、何か変な目でキャプテン見てた、か?
離された手でガシガシ後頭部を掻く。
考えてみても、よく分からなかった。

「ふわぁあ~・・・・オハヨ、日向。火神」
「「やっぱまだ寝てたのかよっ!!」」
俺とキャプテンの声が被る。

「ん?どうかしたのか?」
不思議そうな顔でセンパイが俺に声をかけてくる。
「別にっ・・・」
寝ぼけてたんなら、怒ることも出来ねぇ。

ゴシゴシと濡れた首を腕で擦った。
つーか耳ん中まで濡れてるから擦ったところで濡れた感触が消えてくれない。
「ん・・・」
空気に触れたそこがヒヤリとするのが気になってしょうがない。
木吉さんやキャプテンがこっちを見てるけど、擦るのを止められなかった。
あー・・・綿棒とか欲しい・・・

「オイ」
キャプテンが木吉センパイの視線を遮るように俺の目の前に立つ。
「なんだ、日向?」
センパイの視線がキャプテンに向いた。
「もうとっくに片付けも終わってんだよ!早く帰れ、だぁほ!」
「お、悪い。もうそんな時間か」
木吉センパイはもう一度ふぁぁ、と大きく伸びをして立ちあがった。

「あの、キャプテン・・・」
「おう、火神も早く帰れよ。ご苦労さん」
ぽん
まだ座り込んでた俺の頭に手を置いて撫でてくれる。

「ん?」
撫でられて感じる違和感。
「何だよ?どうした?」
「あ。いや、なんでもねー・・・です」

初めてキャプテンに撫でられたから、だろうか?
何か変な感じだ。

ぐわしっ
「うわっ!」
頭を掴まれた。
いや、違う。
ぐしゃぐしゃと乱暴に撫でられてる、ようだ。
撫でられてんだか叩かれてんだか分かんねーくらいの力加減。
こんな事するのは1人しかいねー。

「何すんだよっ!」
思わすその手を振り払って見上げる。
そこには予想通り、木吉センパイがいた。

きょとん、と振り払われた自分の手と俺を見つめている。
「いや、日向が撫でてたから?」
何で疑問系?
「だから何だよ?」
「さぁ?何だろう?」
・・・・・・どうやら自分でも分かってないらしい。

「まぁ、いーけど」
「いいのか」
「あぁ」
なんか、キャプテンよりずっと乱暴だったけど、さっきと違って違和感ねーし。

「・・・帰る」
腹減った。
マジバでも寄って帰るか。
きっと黒子もいんだろ、いつも通りなら。

「そうか、いいのか」
「じゃあ、お疲れっした!」
まだ何か呟いているセンパイの、再び延ばされる手からは逃げ出して俺は部室へ急いだ。

「木吉ぃぃぃぃ!」
体育館からはキャプテンの怒号が響く。
・・・・まだやってら。

仲が良いのか悪いのか。
思って、黒子と俺も似たようなもんだと思った。








「なぁ、日向ー。帰り、何か食ってこーぜ」
「珍しいじゃねーか、寄り途なんて」
「なんか美味いモン食う夢みたからか、腹減ってさぁ」
「・・・ふーん」
「あれ?何食ったんだ?って聞いてくれねぇの?」
「聞くかぁ!!」
ゲシッ




  *  *  *

後輩可愛い日向とかも好きです。
きっと日向は自分より体格良くても生意気でも、後輩が助けを求めたら全力で助けてくれるよ!



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